概要
システム開発をさせて頂いている中で、連続的に変化していくIT業界の情勢を見ていると、
「何のために、何をシステム化するか」
を決める要件定義の重要性や難易度が高まっているように感じています。
正直業務を経験してきた上での先輩のアドバイスや、ネット記事・参考書の知見を多々交えてます。
あくまで今後の自分の為にこの記事を残します。未来の自分頑張れ(投げやり)
大まかに以下の5つに分けて記事を書こうと思っています。
Step1. 方針と実施計画の立案 ←今回はコレ
Step2. 現行業務と問題の把握
Step3. 問題分析と課題の設定
Step4. 議題解決策の立案
Step5. システム要件の整理
要件定義フェーズの成果物と全体手順
要件定義フェーズの成果物
要件定義では以下の6つの成果物が必要になることが多いです。
- システム化方針
- 解決すべき課題
- 議題の解決策
- 新しい業務の仕組み
- システム要件
- 実行計画
以下を具体的に書いていきます。
1. システム化方針
システム化方針には、関係者にシステム化の方針が誤解なく伝わるように、以下を整理します。
- システム化の背景・目的
- 期待する成果
- 制約条件
- 対象範囲
2. 解決すべき課題
解決すべき議題には、システム化の目的を実現するために解決すべき業務上の課題を整理して記載します。
3. 議題の解決策
議題の解決策では、課題に直接関係する範囲の新しい業務の仕組みを設計します。
例えば以下になります。
- プロセス
- 制度・ルール
- 組織。体制
- 職場環境
4. 新しい業務の仕組み
システム計画では、新しい業務の仕組みを整理します。
5. システム要件
システム要件では、新しい業務の仕組みで必要なシステムの内容について、機能要件と非機能要件に分けて示します。
6. 実行計画
実行計画には、以下を記載します。
- システム化を進める際の作業項目
- 体制
- スケジュール
- リソース
- 費用
- 設備
- 機器
- etc
成果物作成の為の手順
Step1. 方針と実施計画の立案(システム化方針)
システム化方針をまとめ、要件定義の実施計画を練ります。
システム化方針の決定
プロジェクトの承認権限を持つ経営幹部及び上位管理者の意向や現行システムの実態を踏まえて、以下の5つの項目を明らかにします。
1. 対象範囲
システム化対象とする事業、業務、部署を明らかにする。
リプレイスの場合には、対象とする既存システムも確認します。
2. 背景・目的
以下を明らかにします。
- 背景:新システムを構築するに至った現状の好ましくない状況
- 目的:システム化により達成したい状態
3. システム化テーマ
対象範囲と背景を踏まえて以下を明らかにします。
- 何のために:システム化の直接的な目的
- 何をするか:システム化の達成事項
4. 期待成果
以下のような期待する成果を明らかにします。
- 財務(売上、コスト、利益など)
- 業務の品質・スピード・生産性
- 構築したい業務の仕組み
- 獲得したい技術・ノウハウ
補足:定量的な目標値があるなら、それも明記します。
Ex)
・間接コストの20%削減
・見積回答を3日以内に短縮
・etc
5. 制約条件
以下観点から、システム化を進める際に制約とする条件を明らかにします。
- 期間
- 費用
- リリース
- 改善条件
- etc
改善条件では、以下を明らかにします。
- システムだけ見直しするのか
- 業務プロセスを含めた見直しをするのか
- 組織・体制や制度・ルールにまで踏み込んだ見直しをするのか
ドキュメント作成
以上5項目を明らかにした内容を踏まえ、「システム化方針」として以下2種類のドキュメントを作成します。
1. システム化の背景・目的
2. システム化の概要(システム化テーマ、期待成果、制約条件、対象範囲)
まとめ
システム化方針に、論知的に必要する内容、分かりにくい用語、あいまいな表現を使ってしまうと、システム化の目的や対象範囲の認識のズレが生じ、後のフェーズで大きな手戻りが生じてしまう可能性が高くなってしまいます。そのため、なるべく具体的な言葉を使い、お客さんに「なぜ?」と思わせないようなドキュメントを作ることが理想です。
あ、こんなこと書いてますが僕はできてないです。(ガンバリマス
今後の予定
僕も勉強中の身なので、今後は以下のStepで分解しながらまとめていこうと思っています。
Step2. 現行業務と問題の把握
対象範囲の現行業務内容を調査、整理し、目的の実現を阻害している現状の問題を把握します。
Step3. 問題分析と課題の設定(解決すべき課題)
現行業務上の問題を分析し、重要な問題とその本質的な原因を明らかにした上で、目的を実現するために、「解決するべき課題」を決めます。
Step4. 議題解決策の立案(議題の解決策)
解決するべき課題に関係する業務範囲に限定し、新しい業務を設計します。
Step5. システム要件の整理(新しい業務の仕組み、システム要件、実行計画)
対象業務範囲全体の新しい業務の仕組みを設計した上で、システム要件を具体化し、システム化の実行計画を作成します。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。