VITCOMIC2とは
VITCOMIC2は従来型の16Sの相同性検索ツールとは異なり、GPUというハードウェアを用いて並列計算を行うツールらしい。CPUとGPUはハードウェアとしてそもそも別物であり、GPUの方が並列計算は得意なため、input配列の本数が多い場合にもGPUを用いれば非常に高速に配列類似性検索を実行可能とのこと。VITCOMIC2では配列類似性検索にGPUを用いているので、OTUクラスタリングやDADA2やDeblur等のdenoisingを行なってinput配列の本数を減らさなくても、各配列の系統推定が可能な点が特徴らしい。実際にはCLASTと呼ばれるGPU版BLASTを使っているとのことだが、ゴリゴリインフォマティシャンでない当方が知るところではない。ここに詳しいことは書いてあるので、読んだ人は当方に熱く解説してほしい。ということで、おそらく1本1本のinput配列をBLASTしていくイメージなんだと考えている。
爆速で、素人にも使いやすい
VITCOMI2の最大の特徴は早いことである。ものの数分、数十分でデータが返却される。さらに、VITCOMIC2 Comparisonでデータ比較もできる。インフォマティクスに対して恐怖心のある人はtxtファイルをエクセルで読み込ませて、「いつも」の作業で16Sの解析を行うことができる。超簡単で、素晴らしいツールだと思っている。
Galaxyと組み合わせて、GUIのみで16S解析を楽しむ
VITCOMIC2の特徴はReference DB相手の配列類似性検索のみ行い、OTU解析をするわけでは無いのでPCRキメラの影響が少ない点にある。つまり、難しい処理なしで単純に解析を終えられるということである。当然、PCRキメラの除去をすることに越したことはないだろうが、デモ的にとりあえずデータが見たいときにサクッと解析できるので、研究速度を上げたいときに非常に良い。データも見やすい、比較しやすい、操作しやすい。超おすすめである。
上述の通り、難しい操作が不要なので、Galaxyでクオリティートリム、fastq-joinによりPair-endリードをくっつけて、FASTA or FASTQとしてダウンロード、VITCOMIC2に放り込んで待てば解析終了である。
使い方
http://vitcomic.org/にアクセスする。
これを参考に、これを埋める。あとはメールが返ってくるのを待つ。
メールでは、zipファイルのダウンロードができるので、これを落として解凍。当方はgenus.txtを開いて、適当にぽちぽち作業すると、こんな感じになりました。htmlファイルを開いても結果が見られます。ここからFactor analysisをしても良いですし、gzファイルを複数アップロードして、VITCOMI2 Comparisonをしてみても良いかと。
まとめ
配列をクラスタリングで生じる系統推定結果の曖昧性を回避できる便利ツール。超簡単で、誰でも使える。